WebライターはWebサイト上に掲載される記事を作成する仕事
Webライターの仕事は、Webサイト上に掲載する記事を作成します。
インターネット環境とPCさえあれば誰でもすぐに始められるため、近年ではWebライターを始める人が増え続けています。
Webライターの主な仕事内容
Webライターと言っても、その仕事内容はさまざまです。
主な仕事内容は次のとおりです。
- SEOライティング
- セールスライティング
- コピーライティング
- 取材記事
SEOライティング
SEOライティングはWebライターの仕事の中でも案件数が多く、獲得しやすい仕事と言えます。
SEOライティングはGoogleなどの検索結果から、Webサイトの訪問者を増やすための文章(コンテンツ)を作成する仕事です。
企業は見込み客との接点を増やしつつ、企業の信頼性を向上させる目的でSEO記事を活用します。
その企業の信頼性を高め、企業の成長を陰で支える存在がWebライターの仕事です。
セールスライティング
セールスライティングは、販売目的で商品やサービスに関する性能やメリットを訴求し、ユーザーを購入へと導く仕事です。
先のSEOライティングとは異なり、特定のユーザー層の心を動かし、期待するアクションにつなげる高度な文章力が求められます。
読者に行動を促すための心理的な側面を含め、相応の訓練が必要です。
業務難易度が高いため、報酬も高めに設定されています。
コピーライティング
コピーライティングは、企業が提供する商品やサービスのブランディングを目的とした文章作成の仕事です。
商品やサービスの知名度向上やブランド認知を拡げるために用いられます。
特にコピーライティングでは、キャッチコピーの真価が問われます。
コピーライティングにおいても、人の心を動かす高度な文章力が求められるため、報酬は高いです。
取材記事
取材は人やモノ、施設(場所)に対し取材をおこない、読者に伝えたい内容を記事にする仕事です。
具体的には次のテーマがあります。
- 経営者や著名人へのインタビュー記事
- 読者の関心を惹くトピック(最新トレンドに詳しい方へのインタビュー)の記事
- 施設・観光名所をアピールするためのインタビュー記事 など
取材は他のライティング業務と異なり、特に対人へのコミュニケーション力が相当求められます。
例えば、経営者や著名人へのインタビューをおこなう場合、インタビューの日程調整から質問事項の作成、インタビューを円滑に進めるためにインタビュイー(インタビューを受ける側)の著書を購入し、事前に読んでおくなど、綿密な下準備が欠かせません。
また、写真撮影も発生するためカメラを準備するなど、細やかな配慮が必要な業務と言えます。
Webライターの報酬形態│主に「文字単価」と「記事単価」の2つ
Webライターの報酬形態は、主に次の2つです。
- 文字単価
- 記事単価
それぞれの報酬形態を解説します。
文字単価
文字単価は、その名の通り「1文字1円」のように、一文字あたりの報酬を指します。
Webライターの案件では、文字単価での募集が多く、例えば文字単価1円で4,000文字の記事作成依頼の場合、報酬額は4,000円(文字単価1円×4,000文字)となります。
記事単価
記事単価は1記事あたりの報酬額を指し、雑誌や取材の案件で使われることが多いです。
記事単価の場合は、文字数の目安幅があり、その文字数内で1記事当たりの報酬が設定されます。
取材記事の場合、報酬額は「1記事2万円」といった形です。
時給制や月額報酬の案件もあるが、数は少ない
時給制や月額報酬は、業務委託契約を締結したWebライターに一定契約時間稼働してもらう場合に使われるため、案件数は少ない傾向にあります。
これらの契約では、ライティング以外にも企画や編集、ディレクション業務なども併せておこなうケースが多いです。
Webライターの始め方│未経験から始めるための3ステップ
これからWebライターを始めるためには、次の3つのステップで進めるとよいです。
STEP1:作業環境を整える
まず、Webライターの仕事に必要な作業環境を整えましょう。
必要なものは次のとおりです。
- PC(できればMicrosoft社のWordやExcel、PowerPointが入っているもの)
- Googleアカウント(GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを使う機会も多いため)
- インターネット環境(無線で高速通信できる環境がよい)
スマートフォンでは、業務で対応できないものが多いため、必ずPCを用意してください。PCは高いものではなく、最初は5万円程度のもので十分です。
STEP2:自分で記事を3記事から5記事程度作成する
必要なものを準備したら、まずは自分をアピールするために記事を作成しましょう。
自分で記事を作る際は、アメブロ(無料)やWordPress(有料)などを使ってブログ記事を作成するケースが多いです。
ただ、今ではnoteのように、登録するだけでブログ記事を作成できるプラットフォームが登場していますので、活用するとよいでしょう。
記事数は目安として3記事から5記事程度、テーマは自分の得意なジャンルがおすすめです。
まずは現状募集数の多い、SEO記事案件獲得に挑戦してみましょう。
ブログ記事であれば、自分の思うままに文章を作れますが、SEO記事では「レギュレーション」と呼ばれる、記事執筆のルールが存在します。
記事を作る前に、SEO記事の書き方について調べてから作成すると、手戻りがなく効率もよいです。
ある程度実績がついてきたら、ポートフォリオを作成するとよい
ある程度実績がついたらポートフォリオを作成すると、クライアントの目に留まりやすくなります。
ここでは解説しませんが、「ライター ポートフォリオ作り方」で調べると、詳しい作成方法がわかります。
もし余裕があれば、実績のない段階から作成してもよいでしょう。
STEP3:Webライターの求人に応募する
記事を作成したら、Webライターの求人を探して応募してみましょう。Webライターの求人は、主に次の場所に掲載されています。
- クラウドソーシングサービス
- 求人サイト
- 企業サイト内求人募集
クラウドソーシングサービスに登録すると募集が可能です。
クラウドソーシングサービスで案件を受注する場合、「システム手数料」が発生します。
手数料額は報酬金額のおよそ2割程度です。
例えば報酬額が5,000円の場合、システム手数料が1,000円かかります。
初心者にとって案件が獲得しやすいプラットフォームではありますが、案件の良し悪しの判断やシステム手数料がネックです。
求人サイトや企業サイト内での求人募集に応募する際は、ポートフォリオとなる記事などが必要になります。
応募の際には、自身にアピールポイントを理解した提案力が求められます。
募集案件の中には、未経験者歓迎の企業もあるためリサーチしておくとよいでしょう。
Webライターに求められる能力
Webライターに求められる能力は、次のとおりです。
- パソコン操作やITの基本知識
- 調査(リサーチ)力
- 国語(文章・語彙)力
- 提案・営業力
- SEOの知識
PC操作やITの基本知識
Webライターの業務では、記事をWordやGoogleドキュメントで納品する場合が多いです。
また、クライアントのやり取りもChatworkやSlackなどのチャットツールが使われます。
また、指定ツールの使用が執筆作業時に指示されることもあるため、PCの基本的操作やITツールの操作や知識は必須です。
調査(リサーチ)力
Webライターは、インターネットで検索した記事の情報を、そのまま活用して作成すればよい仕事ではありません。
執筆した根拠となるデータや情報が本当に正しいのかどうかを、きちんと調査する力も求められます。
作成された記事は、クライアントの信用につながる大事なコンテンツであることを忘れてはいけません。
国語(文章・語彙)力
国語力はWebライターを始めるにあたり、必要不可欠な要素です。
国語というと、小学生の国語をイメージすると思いますが、今までの学生生活で学んできた国語力が如実に文章に反映されます。
国語力は、読み手に情報や考えを論理的に簡潔に伝える能力を指します。
Webライターの業務には、SEOライティング以外にも魅力的な商品やサービス訴求を促すセールスライティングやコピーライティングが含まれます。
この国語力は個人一人でどうにかなるものではなく、ライティングのプロに添削してもらうことが大切です。
また、案件の中でプロのフィードバックを受けながら成長できる環境に身を置くことを検討してみるとよいでしょう。
その場合、クラウドソーシングサービスではそういったクライアントは見つけにくいです。
提案(営業)力
Webライターを始めるにあたって、クライアントへの提案に限らず、営業をおこなう上でも提案力は必要です。
提案力を高めることで、案件獲得の確度も高まります。
Webライター案件に応募する際には、ポートフォリオを提出しますが、提案文で一番重要なことは「クライアントが求める分野の記事を高い品質で執筆できる」というアピールです。
提案力を高めるためにも、ポートフォリオ作成の前に自分自身の棚卸をするとよいでしょう。
SEOの知識
Webライターを始めるのであれば、SEOの知識は必要です。
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」を意味します。
検索順位を上げるためだけのものではなく、その本質は次のとおりです。
- Webサイトを訪れる訪問者のニーズを知る
- ニーズを満たすキーワードを知る
- ニーズを満たすコンテンツを選ぶ
- ニーズを満たすコンテンツ・商材・サービスを提供する
ライティング案件の中でも、SEOライティングの案件数がメインと言ってもよいほど多く、高品質なコンテンツ作成ができるWebライターの需要は高いです。
2022年からChatGPTをはじめとした生成AIがライティング領域にも進出してきており、辞書のような記事を書く仕事はAIに代替されてしまいます。
単に記事を書けるだけではなく、クライアント課題に寄り添った記事執筆ができるかが、Webライターに求められています。
Webライターを始める際の6つの注意点
Webライターを始める際に注意すべき点は、次のとおりです。
- Webライターを始める目的や理由を明確にする
- 最初から稼ごうと意気込み過ぎない
- Webライターも立派な仕事である意識を持つ
- 低単価の案件には応募しない
- 実績のない段階で価格交渉をしない
- 契約前に納品や個人情報提出を求める案件に応募しない
Webライターを始める目的や理由を明確にする
Webライターは特に資格も不要で、その日から名乗れます。
ただし、Webライターを始めるのであれば、次の質問を自分に問いかけるとよいです。
- なぜWebライターを始めたいのか?
- Webライターになって何を実現したいのか?
Webライターも仕事であり、時には辛いことも出てきます。
その時に目的や理由が自分の中に明確になっていなければ、途中で挫折することにもつながります。
面倒くさがらずに、取り組んでおきましょう。初めが肝心です。
最初から稼ごうと意気込み過ぎない
Webライターを始める人によくありがちですが、いきなり最初から稼ごうと意気込み過ぎて結果が出ず、継続できずに辞めてしまう人が後を絶ちません。
少し厳しい話ですが、Webライターを始めたからといって、すぐには稼げません。
株式会社ビズヒッツがWebライターに対しおこなったアンケート調査で、本業と副業ライターの月収は、次の結果となっています。
【本業ライターの月収実態】
出典:株式会社ビズヒッツ「WEBライティングに関する意識調査(2021年2月)」
【副業ライターの月収実態】
出典:株式会社ビズヒッツ「WEBライティングに関する意識調査(2021年2月)」
この結果から、本業・副業ライターともに、ボリュームゾーンは月1万円以下であることがわかります。
稼げるWebライターになるためには、先に解説したスキルの研鑽が大切です。
「稼ぐための近道はない」と頭に入れておきましょう。
Webライターも立派な仕事である意識を持つ
これもよくある話ですが、Webライターの中には小銭稼ぎ感覚や、アルバイト感覚で業務に取り組んでいる方がいます。
そのような感覚で取り組むWebライターの方を管理する側が相手にすると、次の事象が度々起こります。
- 報告/連絡/相談がなく、ディレクターから都度連絡する状態に陥る
- 納期は守らない(納期が過ぎても連絡すらない)
- 突然業務を放棄していなくなり、連絡が途絶える
Webライターも立派な仕事です。
本業・副業にかかわらず、ビジネスマンとして正しく振る舞うようにしましょう。
低単価の案件には応募しない
特にクラウドソーシングサービスにありがちですが、初心者を食い物にするような案件が目につきます。
例えば次のとおりです。
- 文字単価0.1円
- 文字単価0.3円からスタートで、30記事書いたら文字単価アップ(ただし、途中で辞めたら報酬無し)
初心者が実績欲しさに、このような低単価案件に手を出すと、報酬は少なく(出ない場合もある)、徒労に終わることにもつながりかねません。
初心者であれば、文字単価であれば1.0円(どんなに安くても0.5円)の案件を探すようにしてください。
しっかりとアピールをするためにも、先に解説した自分で作成した記事やポートフォリオを作成しておくと心強いです。
実績のない段階で価格交渉をしない
Webライターを始めた当初に意識すべきは、実績を積み上げることです。
実績を積み上げないままクライアントに価格交渉をおこなっても、要求は通りません。
まずは、地に足をつけて実力を蓄えるようにしてください。
依頼企業の身元や実績がわかる企業に応募する
最近では詐欺まがいの案件も登場しています。
契約を締結する前に納品を求め、納品したら音信不通となるケースがあります。
契約前に個人情報の提出を求められた場合でも、毅然と断るようにしましょう。
Webライターは業務委託契約でおこなうことが多いため、契約についてはきちんと確認する癖をつけてください。
依頼企業の身元が分かり、実績のある企業案件に応募しましょう。
Webライターを始める前に、始めたい目的や理由は明確にしておこう
Webライターの始め方は「作業環境を用意」して、「記事を作成」し、「募集案件に応募する」だけです。
解説してきたように、Webライターの業務範囲や報酬、求められるスキルなど、押さえておくべき点は数多くあります。
Webライターの業務に対する心構えなども、きちんと頭に入れておいてください。
Webライターを始める上で、一番大切なのは「Webライターの仕事を通じて何を実現したいか」です。
今回の記事を通じて、Webライターとして有意義なスタートを切れるお手伝いができれば幸いです。
Webライターの始め方に関する、よくある質問
ここでは、Webライターを始めるにあたり、よくある質問に回答します。
9-1.Webライターは未経験からでも始められますか?
未経験からでも始められます。
実際に大学生や主婦の方が、未経験からWebライターになった事例が数多くあります。
9-2.Webライターに向いているのはどんな人ですか?
Webライターに向いている人の特徴は、次の3つです。
- 文章を書くことが好きである
- 好奇心を持ち、下調べや事実確認がおこなえる
- 場所や時間を問わず、仕事がしたいと考えている
9-2-1.文章を書くことが好きである
Webライターは文章を書く仕事です。
そもそも「文章を書くこと」が好きでなければ、長続きしません。
「文字を書くだけで稼げる」と考える人も、Webライターを始める人の中にはいます。
ただ、そのような理由で始めれば、近い将来Webライターに仕事を辞めることになるでしょう。
Webライターに向いている人の特徴として、最も大事なものと言えます。
9-2-2.好奇心を持ち、下調べや事実確認がおこなえる
Webライターに仕事では、執筆に使う情報は信頼度の高いものが求められます。
自身の経験に基づいた専門知識で執筆できる記事以外にも、下調べや事実の確認が必要な記事作成も出てくるでしょう。
そうなった場合、色々な分野に興味・関心を持ち、情報を深く掘り下げ追求する好奇心を持っている人は、Webライターに向いていると言えます。
9-2-3.場所や時間を問わず、仕事がしたいと考えている
Webライターに仕事は、自分の好きな時間に好きな場所で作業ができます。
そのため、会社員のように決まった時間に拘束されて働くのではなく、平日・休日問わず働きたい人や、子育て中のママさんや副業として夜の限られた時間で働きたい人に向いています。
ただし、副業で働く場合は本業と同じ意識で作業に取り組む姿勢が大切です。
9-3.Webライターの仕事は場所や時間に制約がありますか?
Webライターの仕事は成果物を納品する契約(請負契約)のため、会社員のように勤務場所や勤務時間の制約を受けません。
その代わり、高品質な成果物を納期までに納品することが求められます。
9-4.副業でもWebライターはできますか?
副業でもWebライターはできますが、Webライターも仕事の一つです。
事実、アルバイト感覚で軽く考えている人も中には多く、ビジネスとして正しく認識することが大切です。
9-5.Webライターを始めたいのですが、スマートフォンでもできますか?
スマートフォンでも執筆作業はできます。
ただし、その他にもクライアントとのやりとりや、WordPress(ワードプレス)などのツールを用いた文章執筆作業が求められるため、PCは必要です。
高いPCを買う必要はありませんが、必ず用意しておくようにしましょう。